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えっ営業列車なのに台車交換するんですか?(ユーラシア大陸横断記)

2018年3月5日 21:00

 

~はじめに~

時刻は中国時間で21時ちょうど。時刻表によると300分もの停車時間が予定されている。国境のため、出入国検査があるのは分かるが、ロシアーモンゴル国境では停車時間は105分だった。なぜそんなにこの街に停車するのか。それはここで、

 

ロシア軌間(1524mm)から標準軌(1435mm)用の台車へ交換するためだ。

 

しかも、人を乗せたまま台車を交換する。らしい、、、先人たちのブログを調べるとあまりK3/4列車は乗らないらしく、記事数も少ない。ウラジオ-モスクワのロシア号に乗っている記事が目立つ。ましてこんなイベントは鉄オタにはうれしい出来事だがバックパッカーにとっては何でもない出来事なので、

「突然列車を降ろされて、駅で作業が終わるのを待っていた。」

等の情報しかなかった。詳細を確かめるべく私は、ずっとこの日を楽しみにしていたのだ。

 

すまない、話が鉄オタ独特の早口詳細語り口調になってしまった。簡単に言うと、

モンゴルと中国で線路幅が違うけどどうしょ。

ってな具合。興味ない方はここでブラウザバックしていただいて結構である。明日からはちゃんと旅行記書くので許していただきたい。

 

それでは、さぁさぁシベリア鉄道K3/4列車の最大のイベント、モンゴル→中国国境で行われる台車交換のお時間がやってきました!!!

列車は3月5日21時にモンゴル国境の街の二連に着いた。ここで出国と入国検査が行われた。モンゴル国境で起こった、トイレ駆け込み事件はなく難なく入国。ビバ中国!!4000年の歴史!!

ルームメイトとの別れ。短い時間であったが久しぶりに人と話せて有意義であった。ここで添乗員(後ろの女性)より、台車交換するから~等の説明はなく、

「ここで一旦降りるor列車に残る」

という2択を尋ねられた。もちろん回答は

「残る!!!!!」

である。すまんな、あなたにはなぜ私が食い気味で即答したのかはわからんだろうな。

2択を終え列車内で待つ。しばらくすると列車は、山形鉄道荒砥駅風の工場に吸い込まれていった。

工場に入る前に列車がいくつかに分割された。この時点ではコンパートメントからの出入りは禁止されていた。

工場内に入っていく。ここでも大きな音が近くでした。ここでおそらく、分割された編成からさらに1両1両ごとに分割されたのだろう。

工場に入る前にこんなものもあった。おそらく安全三訓のようなものだろう。

きっと朝礼で読まされたりするのだろうか。今日も一日安全ヨシ!!!!!

これが客車の工場入口側の景色である。この時点でコンパートメントからの出国が許された。私の乗る客車の両側は、さっきまで連結されていた客車は切り離され1両となっていた。デッキから工場が見えて楽しい。工場内には台車交換用にオレンジ色のジャッキが並ぶ。すごい数だ。

左側の工場内の側線にもう一本列車が入って来た。これはモスクワから一緒に走って来た客車たちだ。

後ろから機関車に押されてゆっくりと入線していく。

きっと私の客車もあんな感じで入線してきたのだろう。

ここで客車の反対側に行ってみる。こちらからは、隣に連結されていた客車が目の前にいる。右には、先ほど入線してきた客車が待機している。

床下に作業員が入り作業しているのが見えると、いとも簡単に目の前の客車がジャッキアップされた。

続いて私の乗っている客車も大きな機械音がした後、宙に浮いた。写真でも分かると思うが視点が高くなった。若干恐怖感がある。この作業は労働法?的に人が乗ったまま行ってもよい作業なのか疑問だ。

そんな、どうでもよい事を考えていると、隣の客車も1両ごとに切り離されていく。さらにさらに、前の車両から大量の台車が私の客車めがけて近づいてきた。

おおお。

人の力で簡単に動かせるんですね、台車って。

よく見てみると、写真奥の1両分(2セット、8輪)の台車の広さが手前の台車と幅が違うのがわかるだろうか。これは、だるま落としの要領で使わないロシア軌間の台車を押し出しつつ、中国国内用の台車も持ってきている。

しばらくして、台車の入れ替えが終わるとジャッキが降ろされ、晴れて中国国内を走れる台車に換装された。となりの車両は現在進行形でジャッキアップ中である。まるで大人の社会見学である。非常に楽しい!これだけのためにお金払っても良いレベルである。

使っている台車を押し出す。

ガッシャーん

スピーディに取り付けられている。隣の客車内はもうすでに0時を越えているため、皆カーテンを閉めて明かりを落としていた。もったいない、、、

工場全景。サモワールの石炭の煙で工場内に煙が充満している。だがそれがいい。いい雰囲気を醸し出している。

工場の入口側を見る。入口側には、履き終わった台車が集められていた。ここで係員より「出発するからコンパートメントに戻って。」との指示があり撤収。連結の音と振動がまた続き、深夜2時に国境の街二連を出発した。明日はついに終点、北京に到着だ。長かったシベリア鉄道K3/4列車の旅もついに終わりだ。

 

フィンランド→エストニア→サンクトペテルブルグ→モスクワ→モンゴル→中国→シベリア鉄道乗車中.. (続)

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