2017年8月30日 7:00
私は、ミャンマーの早朝の高速道路を走るバンの後部座席に座って外を眺めていた。辺りは永遠と続く水田とそこで働く人たち。赤土の大地にはボロボロのトラクターを改造したエンジンむき出しの農耕機がのろのろと走っている。だんだんと夜明けが始まる風景を横目に私は眠りにつく。始まりは昨日の宿での出来事までさかのぼる。
8月29日。ゲストハウスのエレベータの中で日本語で話していると、エレベータに乗り合わせていた従業員が突然日本語を話し始めた。彼の流暢な日本語に驚いたことをいまでも覚えている。彼は東京で働いた経験があり、それで日本語が話せると語った。雑談の後、次の日の行先を決めかねていた我々はそは彼に車のチャーターの値段を聞いてみた。そうすると一人2000円ちょっとで一台を一日チャーターできることを知った。それは・・安い!すぐに彼に予約を入れていただき、早朝からマダウへ向かうことを決めた。
ミャンマー北部の街、マダウ。(マダウは〇〇で栄えた街・・と語りたいところだが、私には鉄道以外の知識は抜けているので、各自で調べていただきたい。イギリスの植民地時代から文献には載ってるんじゃないかな。知らんけど。)マダウまでは直接ヤンゴンから列車で向かうことは難しい。ミャンマーを縦に貫く、ヤンゴン-ネピドー-マンダレーを結ぶ本線にある、ニャンレイピンから支線が分かれ(運行形体的にはピュンタザ発)マダウにつながる。通称マダウ支線は我々の訪問時は一日一往復しかなく、しかもそれはマダウ発である。どう頑張っても列車のみを使った撮影は困難である。先人たちはニャンレイピンでバイタク(バイクタクシー)を捕まえて撮影を行っていたが、今回は3人であるためそれは断念した。
ということで話はチャーターしたバンの車内へと戻る。途中、高速に乗る前の安全祈願のお祈りやSAでの休憩で出会ったかわいい女の子お話は割愛。夜明けの中を走るタクシーは霧の中を進み幻想的な風景と東南アジアの早朝の雰囲気を十分に楽しめた。高速を降り、踏切を渡る。そこには腕木式信号が見えたため、タクシーの運ちゃんに車を停めてもらってしばし撮影した。
夢中で写真を撮っていると、それを見た運転手は不思議な顔をしていた。
「なぜ、お前らは、線路を撮っているのだ」
とでも言わんばかりの顔であった。確かに、自分の車によくもわからないデンチャを撮る異邦人がいるのは気味が悪い。そこでTOEIC705点の私は自信満々に英語で運転士に自己紹介した
「アイラブ テクピクチャ トレイン」
「プリ-ズテクイクピクチャ ブ-ン テイクピクチャ- ブーン」
運転士には英語が伝わらなかった。が、きっと私に手の動きで電車を撮った後、車で追いかけてさらに抜かし、また撮影するという意味が伝わったのだろう。
「変な奴らだ」
というの顔になっていた。
(この運転手が追っかけに対して超協力的になるのは三人ともこの時はまだ知るよしぞなかった。)
そうこうしているとマダウに着いた。時刻は10時30分。
こちらが、私マダウ初ショット。名鉄キハ20!!パラボラアンテナとタイヤの車止め!!なんだこれ!!!意味わからん!!!!
続く
秋田市→寿司パラ→ヤンゴン中央駅→環状線一周完了→マダウ支線